名盤その70「Double Fantasy」 John Lennon & Yoko Ono [disk review]
その日、17歳高校2年生の私は体育館で部活を終え、普通に自宅へ戻っていたんだと思う。自室に入り普段どおりラジオをつけてタバコを吸ってた勉強していた。
夕方のニュースが流れ、アナウンサーが「元ビートルズのジョン・レノンが・・・」ここまでは何も思わなかった。いや、正確に言うとこの年の頭にポールの大麻事件があったもんだから(ははぁー、また大麻で捕まったな。)と勝手に私の頭の中ではそのニュースが完結していた。ところが、アナウンサーは予想だにしなかった言葉を続けた。
「元ビートルズのジョン・レノンが射殺されました」
中学時代からビートルズ信者になっていた私にはしばらく言葉の意味が判らない。TVのある居間に行ってニュースをみると冗談ではないらしいことだけは理解できた。どこのチャンネルも「スタンドバイミー」のビデオクリップをバックに報道していた・・・
あれから25年。本当に25年?。25年って嘘だよきっと。
名盤その69「Acoustic」 John Lennon [disk review]
「Love」を聴くだけでも価値がある・・・
スタジオの奥に眠っていたテープを掘り起こして作られたような作品って、大抵聴き終わったあと「ほほぉー」って言う程度で片付けられちゃうのが多いと思います。この作品もどちらかと言うとその部類であるはずなのだけど・・・生ギター1本の「Love」は素晴らしい。私はこれを聴きたいがためにこのアルバムを買いました・・・
名盤その68「Extra texture」 George Harrison [disk review]
1975年発売
Extra Texture / George Harrison
このアルバムにはメロディ・メーカーとしてのジョージ、憂いをおびたヴォーカリストとしてのジョージがいます。
『ジョージハリソン帝国』などという邦題をつけた人は何を考えていたのか?ですし、LPのレーベルやジャケットのかじられて芯だけになった「Apple」は寂しさを感じさせずにはいられないこのアルバムですが・・・。
だけど、多分このアルバム、ジョージファンの中では好まれているんではないでしょうか。きっとそうだと思いますよ。ジョージ独特の唄いまわしやメロディがたまらなく良い感じです。全体を通して彼のギターがあまり前面に出て来ないところがちょいと残念です。でも「You」や「The answer's at the end」は名曲です。
名盤その67「Living in the material world」 George Harrison [disk review]
1973年発売
Living in the material world / George Harrison
暖かいHarrison Worldへ・・・
「Norwegian Wood」でシタールを聴かせてくれてから徐々にジョージのインドへの興味が深くなっていきます。それは楽器のみならず歌詞においても・・・このアルバムはある意味宗教音楽といってもいいかもしれません。このアルバムの代表曲である「Give me love (give me peace on earth)」も ”愛をください、願わくば地上に平和をお与え下さい” ですしね。
名盤その66「Power in the darkness」 Tom Robinson Band [disk review]
1978年発売
Power in the darkness / Tom Robinson Band
圧倒的なスピード。直球勝負ってこのことだな・・・
ジャケットの握り拳がT.Robinsonの怒りを象徴していたんでしょね。このアルバムの「音」、ホントに「気」が伝わってくるっていうか凄くストレートです。タイトルチューンである「Power in the darkness」のメッセージ、ヒットした「2-4-6-8Motorway」をはじめ聴き応えがあります。「Up against the wall」などその他の曲もギターがかっこ良過ぎ(Danny Kustowって人でしたね)。
中学から高校にかけての時期に何故このアルバムに手を出したのか?多分プロデューサーがクリス・トーマスだったからだと思いますが、そんなこととは関係なく今でも時々「TRB聴きてぇ」って思うことがあります。いい曲、揃ってます。
パンク真っ只中の時期でしたが、彼(彼等)は異質な存在であったのかもしれません。
名盤その65「Clear Spot」 Captain Beefheart & The Magic Band [disk review]
1972年発売
The Spotlight Kid / Clear Spot
食わず嫌いと言う言葉がありますが、食ってみてやっぱりダメだというのもあれば、ちょっといいかもっていうのもあります。ちなみに私、春菊はダメです。あんなモン鍋に入れるんじゃねぇって感じです。犬は幼い頃、からかっていたら鎖が切れて町内中追いかけられてからダメです。でも最近は触れるようになりましたが。
音楽も指を折ってリズムを数えなきゃならないのは聴かずに敬遠します。プログレとかザッパなんかも・・・聴く前から面白くないんだろーなぁという先入観がありほとんど聴きません(ですから実際とは反しているかもしれません)。
この人も≒ザッパという先入観がありますし、それはそれで間違ってはいないと思うのですが、この「Clear Spot」は全然OKです。指を折ってリズムを数える必要はありません。「Too much time」、「My head is my only house unless it rains」などは普通にいい曲ですし、他のナンバーもビーフハートの独特のしゃがれた声とちょっとアバンギャルドなR&Bって感じでカッコいいアルバムです。
でも、多分、きっと、いや絶対、マニアからすると物足りない作品なんだろうなと思います・・・が、私はこの作品好きですよ。でも春菊は嫌いです。
名盤その64「Stealin' Home」 Ian Matthews [disk review]
1978年発売
中学、高校時代と深夜放送を遅くまで聴いては授業中居眠りしていたような気がします。聴いていたのはLFのオールナイトニッポン。当時オールナイトニッポンは1:00~3:00、3:00~5:00の2部構成で1部ではタモリ、ビートたけし、中島みゆき、あと誰がいたっけ?所ジョージ、坂崎幸之助、桑田佳祐などなど。2部はもっとクセがあって糸井吾郎、近田春夫、明石家さんまもやってましたっけ。今は深夜放送は全く聴くことがなくなってしまい状況がわかりませんが、当時はAMラジオから流れてくる音楽が貴重な情報源でありました。またこの時期聴いた音楽がいまだに心の中に残っていたりします。(むしろこの中高くらいの多感な時期によく聴いた音楽がその後の嗜好につながってしまいますね)
この人はまさにその典型。何年か経って、ふと「そういえば何とかマシュウのシェイク何とかって曲がラジオからさんざん流れていたよなぁ・・・」それが「Shake it」でした。
アルバムとしてはきっと大した作ではないと思うし、事実'72発売「Tigers will survive」 の方が好き。でも深夜スカイセンサー5900のスピーカーから流れていた「Shake it」にはかなわないように思います。
音は「英国の中の米国」と評されるようなフォークロックです。
(I.Matthewsと関係ないですが)
明石家さんまのオールナイトニッポンのエンディングで使われていた「最後の夜汽車」、名曲です・・・
名盤その63「Peter Gabriel」(3) Peter Gabriel [disk review]
1980発売
学生時代この人のことを「(ピーター)ガッちゃんがさぁー」と、親しげに呼ぶ輩がいたけど、このおどろおどろしいジャケットの写真はとてもガッちゃんというイメージではないことは間違いないです。
名盤その62「A round and a bout」 Squeeze [disk review]
1990年発売
「Labelled with love」を大好きなのは私だけじゃないようで、このアルバムでも観客が大合唱しています。
9作目にあたるこのライブアルバム、とってもイカしたライブアルバムです。それまで上質なポップサウンドを聴かせるどちらかと言うとスタジオワーク中心のバンドだと勝手に思い込んでいたんですが、全然違いましたね。録音は1990年1月に英国で行われたライブ音源からのようで、当時の彼らの人気が伝わってきます。ジュリアン・ホーランドのピアノが踊ってる「Doctor Jazz」やライブならではのイントロで飾られた「Tempted」など全15曲が輝いています。
最近の作品は聴いていないのでコメントできませんが、Squeezeを聴いたことがない人にはお奨めできる1枚です。例えるなら、XTCがBritish Popの脇道を歩んでいるとしたらSqueezeはBritish Popの下町を歩んでいたのかもしれません(表現力がなさすぎる・・・)。
名盤その61「Camper van Beethoven」 CVB [disk review]
1987年発売
「Good guys and bad guys」がとても心地良い。
ガレージ・ロックという分類が今もあるのかどうかは定かじゃないけど、正にその言葉がピッタリくるサウンドが展開されます。ガレージ・サイケって言葉が合うのかな?。「Good guys・・・」一曲だけでも聴いて損はない感じ。